ラオスの伝統的な暮らしと織物①
大学で異文化の研究をしてる友人が、
ここ数年フィールドワークで、ラオスに通っています。
彼らが目指すところは、世界遺産に登録された美しき古都ルアンパバーンから、
さらに200㎞離れた、今でも「伝統的な暮らし」が色濃く残っている村です。
彼らが村を訪れた時に撮影した写真(撮影 清水郁朗)を元に、
村の暮らしを「織物」を通じてご紹介していきたいと思います。
少しお付き合いくださいね。
ここナーヤーン村は、稲作が盛んで、
肥沃な田園風景が、のどかに広がる景観を残しています。
村の家は「木材」と「竹」だけで出来ていて、
これが村の伝統的スタイルの家だそうです。高床式なんですね。
村の朝は早く、家の前では糸を紡ぐ姿が見られます。
「暮らし」と「織物」は、それぞれ分けて考えている様子はなく、
「食べる」ことや、「寝る」こと、「住む」こと同じで、
村人にとって、暮らしそのものなんでしょうね。
各家には、糸を染めるための藍を蓄えた壺が多数あります。
日本だと昔、各家々に味噌甕があったようなものですかね。
村で栽培している、綿花の畑の様子です。
なんと無農薬の有機栽培で綿花が育てられています。
たんまり収穫された、オーガニックコットンです。
ふかふかして気持ち良さそう〜
村では織物の作業は、すべて女性が行います。
藍瓶を覗くと、いい感じで発酵が進んでいるようです。
他の庭先では、藍で染められた糸が天日で干されています。
有機綿花を手紡ぎしたものを天然植物で染めて、
たっぷりとお日様を恵みを浴びて出来た藍の糸。
天地のエネルギー漲る、元気な染め糸になりました。
家の床下にある機織り機には、織り掛けの布があります。
天地の恵みを受けた元気な藍の糸を、一本一本縦糸と横糸を掛け合わせて
布を織ってゆくんですね。
織り上がりました。
藍染を始め、村に自生する草木で染めた織物です。
自然の風合いが肌に馴染みやすく、草木が優しい色合いですね。
しかしながら、現在村では周囲の急激な社会の変化の影響で、
ずっと受け継がれてきた昔ながらの暮らしが、変わりつつあります。
「織物」でいうと手間隙のかかる草木染めより、
効率的な化学染料を使った方が今の経済にあってる、
というグローバル化の波が押し寄せてきました。
そこで時代の変わり目に立つことになった村では、
今の社会に変化に対応できる「村のあり方」を模索していました。
そういった中で日本からフィールドワークに来ていた調査チームに
相談を持ちかけたのです。
両者の幾度にもわたる会合の末、村の活性化の柱として、
伝統ある暮らしを継承するためにも、村の暮らしの中から生まれた
「織物」を主な村の収入源となるよう村の産業として育てていこう
と,話合われました。(意訳あり)
昨年には、それを受ける形で村と調査チームによる
”活性化共同プロジェクト”が発足しました。
今年になると、ナーヤーン村産の【織物】が現代のニーズに合う形の【ストール】となり、フェアトレード商品としてめでたく国内で販売される運びとなりました。
商品の詳細はこちらhttps://uluru362.shop-pro.jp
*フェアトレード商品は、購入することで村の自立経済の一助になります。